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オープンセミナー実績 - 中小企業/小規模工場にITシステムを導入する

中小企業/小規模工場にITシステムを導入する

カテゴリ : 
ITシステム
執筆 : 
fujieda 2011-7-7 23:51
筆者はITコーディネータとして中小企業のIT経営化を支援するとともに、小規模工場向けの生産管理ソフトの開発設計および導入を手掛けている。中小企業とくに小規模工場へのITシステムの導入率は依然低調でその導入経過の報告例も少ない。 そこで今回は、筆者が実際に経験した「小規模工場へのITシステム導入の経過」を本メルマガで報告します。
1.企業概要 公的機関から金属加工メーカー(従業員20名、売上2.5憶円)のK社が工場のIT化を考えているので相談に乗って欲しいとの連絡を受けてK社の社長に会った。現在、K社は創業者の長男(現社長)が後継者となり、金属部品の切削加工を行っている。業態は多品種少量・試作が多い典型的な中小製造企業である。 2.IT環境 CADシステム用のパソコンがLANで数台接続されているが、他の社内パソコンはLAN接続していない。インターネットおよびメールは特定のパソコンから使用する。社内パソコンはExcelを使って社内文書・注文一覧表・日報を作成するなど利活用の頻度は高い。 3.緊急課題と提案 社長・専務を交えた検討会を催し、緊急課題を「間接経費の削減」と「オーダー別原価の把握」と定めた。IT系の課題解決策として筆者から次の提案を行った。 (1)社内パソコンの統一ネットワーク化 ・サーバー設置 ・社内パソコンとCADシステムのLAN接続 ・全パソコンからインターネット・メール利用 (2)オーダー別原価の自動集計ソフトの導入     4.調達方針と業者選定 小規模工場に相応しい「身の丈にあったIT化」を調達方針とし、複数業者からの仕様提案と見積提案の中から最適業者を選定した。 5.オーダー別原価の自動集計ソフト (1)現状 現在、作業日報(誰が、どのオーダーを、何時間、どの機械を使って)と注文伝票(材料購入/外注加工依頼)から手作業でオーダー別の原価集計を行っている。集計作業は事務員が行うが、集計が面倒なので後回しになりいつも未集計の日報が溜まっている。 社長は注文オーダーの見積を算出する際に過去の類似品の原価を参考にするが、原価算出の遅れや集計ミスにより利益機会を逃すこともあり、正確さはもとより原価集計のスピード化が何よりも重要である。 (2)仕組み オーダー別原価を自動集計するためには、オーダーとそれに紐付きする直接費(労務費、材料費・外注費)をデータベースで関連付けて集計する。(間接費の月間予想費を別途入力し、売上費配賦をすることでオーダー別の利益計算をする) (3)機能と入力作業 自動集計はできるもののそれに伴う入力作業が大幅に増えたのでは意味がない。入力作業は必要最小限とする。 ・オーダー入力と納品登録 注文受け付け時のオーダー情報入力と納品完了時の納品登録作業が必要になる。 いままでオーダー情報は「手書き台帳」に記入し、必要なものはその都度Excelに入力していた。オーダー情報がデータベース化されるため、取引先別オーダー一覧・期間別オーダー一覧など条件を絞り込んだオーダー一覧が見えるとともに、納品登録を行うことにより「納品残一覧」もリアルアイムでわかる。 ・直接労務費 直接労務費は作業者が記入する日報(オーダー番号・作業者・作業時間)が元になる。 日報フォーマットを現在の「1週間分まとめ日報」から「オーダー別日報」に変更し、入力操作を簡素化する。また、作業時間は「実時間」では無く「開始時刻と終了時刻」を日報に記入するようにする。(実時間はコンピュータが自動計算する。これにより作業者自身が「実時間」を計算する煩わしさを取り除く)作業者は作業実績をその都度、オーダー別日報に記入し退社する際に事務所に提出する。事務員は朝一番に前日分の日報を入力項目に従って入力する。(1オーダー当たりの日報入力時間は10秒) ・材料費と外注費 材料費と外注費は材料仕入先および外注先への注文書が元になる。原価を自動集計するために、いままでの手書き注文書からパソコンによる注文書発行に改める。注文書入力と受入れ入力の手間は増えるものの、注文データがデータベース化されるため、作業者はパソコンを見れば材料や外注加工の注文状況や入庫状況がわかる。いままでのようにその都度、注文者・受入れ者に確認する手間が不要になる。業者別支払一覧等も利用できる。 (4)オーダー別原価の表示 オーダー個々の原価詳細(売上・直接経費・間接経費・製造原価・利益)を見ることにより作業実績を評価し、次の類似品の見積りに反映させる。また、利益の出ないオーダーに共通する作業方法を改善するなど、オーダー別原価は算出することが目的ではなく、それを次のアクションにどう結び付けるが重要なカギとなる。 6.導入および導入効果 検討から導入まで3ヵ月。サーバー設置および社内ネットワークの整備によりデータ・プリンタが共有化され作業効率が向上した。オーダー別原価集計の自動化および間接作業の効率化によりパート事務員1名分の作業工数を削減することができた。 7.まとめ K社にITシステムを導入しておよそ1年が経過した。現在、K社でのITシステムは順調に稼働しており第2ステップとして各作業工程別の作業工数と進度を管理する工程管理ソフトの導入を検討している。 本事例は「小規模工場の身の丈に合ったIT化」方針のもと、課題解決に必要な機能だけを導入して投資効果が得られた成功事例と言えます。 特定非営利活動法人ITC群馬 会員 小池国夫

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